1月22日(火),23日(水)に屋久島高校環境コース2年生を対象とした,冬季宿泊研修(公民分野)を行いました。屋久島環境文化研修センターに協力していただき,屋久島の地域の『宝』を学ぶ1泊2日の研修となりました。
1日目
午前中は,林野庁や地元の先輩方をはじめとした多くの方々に協力をしていただき,屋久島の森林活用について学びました。
屋久島の地元の大先輩である笠井さんから,かつての暮らしぶりを聞いたり,鹿罠についても説明を受けました。また伐採した森の管理,実際の輸送の様子,丸太などを見て,生徒たちにとって新たな屋久島の一面について興味深く話を聞くことができました。
午後は屋久島高校OBである長井さんから,宮之浦の里巡りについて講習を受けました。
主に脇町を巡りましたが,「岩川先生像の由来」,「宮之浦川上流の原っぱがなぜ誕生したのか」など,見慣れている地域のはずなのに知らないことがたくさんあり,驚きました。先輩の口から語られる歴史や文化を考えさせられながら,説明を聞きました。
午後は,小瀬田の新庁舎建設現場に行きました。
高校生初として,新庁舎の建設の様子を見学させていただき,生徒たちは,屋久島産の杉や花崗岩などを用いてつくられた木造建築に感激していました。また,新庁舎建設用の材木置き場も見せていただき,自分たちの麓から見ている地杉の変化に驚いていました。
今後の屋久島の担い手である高校生たちが今後,どのように新庁舎を通じて,多くの方々と繋がっていくのか,将来への楽しみに感じるひとときとなりました。
夜は研修センター職員の方々から,ナイトハイクを体験させていただきました。
暗い森を電気をつけず歩く・・・一見怖そう催しですが,夜の森の月明かりの美しさや,風の音や,手触りなど五感を用いて夜の森を楽しむことができ,素敵な時間となりました。
2日目
最初は里巡りで春牧集落を巡りました。
盛久神社 → 屋久島伝承蔵 → 川東工芸 → 横峰遺跡の流れで見学させていただきましたが,春牧集落を歩いて見学したことがないという生徒もいたので,興味深く見学することができました。特に伝承蔵ではウイスキーの貯蔵現場を見せていただいたり,川東工芸では,箸の作成等など普段では経験できないことができました。
次に,けい水産で燻製作りを見学しまた。実際の大トビウオを加工する様子など見るだけではなく,おいしい燻製を試食させていただきました。生徒たちは,説明をしてくださった田中さんの仕事に取り組む姿勢に憧れると,興味深く話を聞いていました。
昼食休憩を挟み,午後のはじめは地力センターを見学させていただきました。微生物の力を借りて,旧上屋久町の住人6000人分の生ゴミが堆肥になっていく様子を見ることができました。一方で,分別が不十分なため混入するゴミを見ることで,自分たちの生活の課題を感じました。
研修の最後に,やわら香を見学しました。生徒全員が初めて建物にはいり,屋久島地杉を用いたアロマオイルの生産などの取り組みについて,香りを楽しみながら話を聞くことができました。工場内部も特別に見せていただき,抽出の様子など,自分たちが理科で学んできたことが実際に活かされていたので,様々なことを思い出しながら話を聞くことができました。
まとめとして,今回は屋久島を過去から未来までを学び,考える研修となりました。特に説明をしてくださった皆様の仕事に向き合う姿勢がかっこよく,自分たちの進路の面でも考える良い機会となりました。
環境コースの生徒には,屋久島の環境と,環境にはぐくまれてきた文化を知ることで,今後の環境コースでの学びだけではなく将来に活かしていって欲しいと思います。